
山に囲まれた地域の者にとって、海は永遠の憧れであり、海の近くに生まれた人間にとっては里山暮らしが憧れなのかもしれない…。
僕個人の事で言えば、海無し県で育った影響からか、海への憧れが凄まじく、「学校の裏山の向こうは海になっている」という都市伝説を小学校低学年まで信じていたほどです。
だが、それが永遠に続くとなると…話は大きく変わって来るようです。
ラヨーンの海沿いに引っ越した友人

タイと言えばかつて東洋の真珠とも言われたパタヤ、リトル東京ことシーラチャ、王室御用達のホアヒンなど、バンコクから手近な所にビーチが点在しています。
人込みを嫌った友人は、それでも海が諦めきれず、ラヨーンの誰もいないビーチ目の前のコンドミニアムに引っ越しました。窓の向こうにはどこまでも広がる海原雄山。
引っ越したばかりの友人は、窓沿いのソファに腰かけて全身で太陽を浴び、毎日目の前のビーチに泳ぎに行っているとの事でした。
一カ月後に再訪したところ…
締め切ったカーテンの暗い部屋に横たわる友人は、もうビーチには久しく行っていないと言いました。潮風の影響か、たった一カ月でバイクも少し錆びついてヴィンテージ化が進んでいたのです!
心なしか、友人もヴィンテージ化が進んだような気がしたのは言うまでもありません。
富士山麓の街で

何十年かぶりに訪れた富士山麓の街。登山道も閉まった為、登山者はまばらで、山頂には雪が積もっていました。何て美しいんだろう…。
それでも町の人たちは、普通の田舎暮らしを送っています。
富士山を見上げて感嘆の声を上げる人もいなければ、レストランで景色の良い席に座ろうなどという気持ちも起きる人もいないようです。
こんなに綺麗なのに…
やっぱり、ある程度距離感を置いた方が、ものの魅力とかってはっきり見えるんですかね。