
タイに関する名称を、外国人が言い易いようにアレンジした結果、
強烈な違和感を覚えることがあります。
そんな中で、タイの首都である「バンコク」という呼び名も、
今となっては私にとって違和感を覚える単語となっています。
日本人が開発したタイ語
身近な所では、コンドミニアムの事を日本人は「今度」と呼んだりしますが、
タイ人の発音では「近藤」の方がより近いと思いますが、
ただこれはそもそも外来語ですので、
日本人、タイ人どちらの発音も、五十歩百歩と言えるでしょう。
私の感覚として最近一番違和感を覚えるのは、「ガパオライス」です。
タイ語ではパット(炒める)ガパオ(バジルの葉)ですが、
日本人に浸透し易いよう、苦肉の策として編み出されたのが
ガパオライスという造語なのかもしれません。
タイに住んでいる身からすると、ガパオライスという言葉は
炒める前の生のバジルの葉が、ご飯の上にちょこっと載っているような、
そんな摩訶不思議な料理を想像しています。
バンコクって何?
海外のニュースに触れる機会も多い昨今の若者はいざ知らず、
私がタイに移住してきた13年前は、バンコクといってもタイ人にはあまり通じませんでした。
それも発音のせいではなく、
タイ人はバンコクの事をクルンテープ(天使の都)と呼ぶのが一般的という事が分かりました。
バンコクと呼んでいるのは外国人だけで、
当の本人たちは、クルンテープと呼んでいる…。
当時付き合っていたタイ人彼女も、初めてその事実を知ったようで、
「バンコック!バンコック!」と、覚えたての言葉をすぐ使いたがって
連発していたのを覚えています。
一刻も早くタイ人社会に馴染みたかった私は、
すぐにこの愛らしく、いかがわしくもある街を、
クルンテープと呼び始めるようになりました。
そして今は、もう一段階上のコートーモー
(クルンテープの音節3つの頭文字を取った略語)、と呼んだりして、
タイ通ぶっています。