
タイのお葬式に参加した事はありますか?
タイのお葬式は、日本の一般的なお葬式のように湿っぽくはありません。
特に老衰で亡くなった場合などは、むしろ人生の新しい門出をお祝いする、
そんな雰囲気すら感じられます。
故人の思い出や、難しいスピーチ等する必要もなく、
みんなでガヤガヤ集まって、
お坊さんがお経を読んでいる時に手を合わせるだけでOK。
(このお経が、何とも長いのですが…。)
それらの根底には、
タイ人が深く信仰している仏教の輪廻転生の観念があると思われます。
また新しく生まれ変わって来るのだから、死ぬことも一つのお祝いである。
そして葬式に出席し、手を合わせる事で自分のタンブン(徳を積む)ができる。
そんな思いが潜んでいるような気がしてなりません。
つい先日も、取引先の会社のタイ人のお父さんが亡くなりました。
幾らお客さんとは言え、そのお父さん…もちろんうちの会社では、誰もお父さんに面識はなかったのですが、
関係者10人でお葬式に参加してきました。
「だれだれのお父さんが亡くなった!」
その日ライングループ上にメッセージが飛んできたのですが、
それをみんなが知った瞬間、何かみんなが色めきだったような気がしたのです。
「よし、これでまたタンブンできる!」
お葬式はコロナ中という事もあり、
いつになったら終わるのか分からないお経も、通常の半分、
30分くらいで終わりました。
初めてコロナの恩恵に授かった気がしました。
直接交流した事もない亡くなったお父さんでしたが、
自分が亡くなった時に、誰彼構わず集まってガヤガヤしてくれてるのは、
棺桶から聞いていてもいい気分かな?と
自分が死んだ時を想像したりしてみました。
タイ人の死生観。

これは人間の話ではないのですが、
先日、良く遊びに行くタイ人の知り合いが飼っていた6匹の犬の内、
2匹が立て続けに死んでしまいました。
そこで家のお母さんが涙も流さずに一言。
「今度生まれ変わったら、人間に生まれて来るんだよ。」
日本人がペットを溺愛するのと違い、
タイ人は一見すると放任主義のようで、
陰ながらしっかり動物の面倒を見てる人が多いような気がします。
実際ここの家でも、犬用に人間とは別途にご飯を炊いていたくらいの
力の入れようでした。
僕は最近涙もろいので、お母さんの一言がグッと刺さってしまいましたが、
人間も犬も、対等の感覚で捉えているのかもしれません。
その証拠に、怒る時は「これでもかっ!」ってくらい怒ってました。
僕だったら「犬のミスだから、しょうがない。」ぐらいで片付けてしまいますが。
死んだら死んだで、マイペンライ。
※マイペンライとは?
結果良ければ、全て良し。結果が悪くても、それもまた仕方なし。